土地など不動産所有者には、固定資産税が課されます。
そのため、
- 「相続で土地を得たが何に使えばいいかわからない」
- 「有効活用したいけど、あまり費用はかけたくない」
使っていない土地を有効活用できないかとお悩みではありませんか?
不動産投資として、土地を有効活用する方法には
- アパート経営
- マンション経営
- 戸建賃貸経営
- 駐車場経営
などがありますが、この中でも手軽に始めやすいため人気があるのは「月極駐車場経営」です。
人気の理由は、建物を建てる必要がないため、初期費用が安く済むからです。
土地活用として、月極駐車場経営を検討している人向けに、メリット・デメリット、駐車場経営の始めかたを解説していきます。
- 駐車場経営の種類
- 月極駐車場経営のメリット・デメリット
- 月極駐車場経営の始めかた
不動産投資で人気の駐車場経営とは?
不動産投資で人気の駐車場経営は、大きく
- 月極駐車場形式
- コインパーキング形式
の2つに分類できます。
月極駐車場形式とは?
月極駐車場とは、月額単位で契約者に駐車場を貸す方法です。
1か月単位とはいっても、長期契約になりやすいため、安定した収入を得ることが可能です。
土地に、何台分の駐車場スペースを確保できるかによって、収入の上限が決まります。
コインパーキング形式とは?
コインパーキングとは、誰でも24時間利用できる時間貸駐車場のことです。
コインパーキング利用者が支払った利用料が、収入になります。
このような点から、今回は「月極駐車場方式」に絞って解説をしていきます。
不動産投資「月極駐車場経営」のメリット・デメリット
駐車場経営は、低リスクで継続的な収入を得ることができる不動産投資ですが、メリット、デメリットを確認しておきましょう。
月極駐車場経営のメリット
月極駐車場経営のメリットは
- 建物を建てる必要がないため、 初期費用が少なく済む
- すぐに始めることができる
- 狭い土地でも、立地が多少悪くても土地を有効活用できる
- 自然災害によるリスクが小さい
- 契約は長期にわたることが多いので、契約者がいれば安定した収入が得られる
初期費用が少ないため、始めやすいというのが最大のメリットです。
10~15坪程度の土地があれば、十分駐車場として活用することができます。
平面駐車場の場合、舗装は必須ではありません。
極端に言えば、そのままロープで区画を区切って、駐車場番号も簡易な立て札等でわかるように表示してあれば、駐車場として貸し出すことができます。
ただ、雨が降るとぬかるみができたり、見映えが悪いと空車ができやすいので、整地や舗装は最低限しておいた方がよいでしょう。
舗装は、
- 砂利敷
- アスファルト舗装
- コンクリート舗装
どれを選ぶかによっても、費用は違ってきます。
そのほか、
- 区画ごとに白線ラインを引く
- 駐車番号を表記
- 車止めブロックを設置
- 街灯(防犯面で重要)を設置
しても、数十万もあれば事足りるので、アパートなど建物を建てる(5000万程度)よりも費用ははるかに安く済みます。
また、駐車場経営の場合は賃貸物件と違って、事前の通告のみで、契約者を立ち退かせることができるので、いつでも辞めることができるという手軽さがあります。
駅から遠い土地は、アパート、マンション経営には不利になりますが、その点、駐車場なら駅から遠くてもニーズがあり契約者が見つかりやすいのもポイントです。
月極駐車場経営のデメリット
月極駐車場経営のデメリットは
- 税金負担が大きい
- 思っていたより収入が低くなることもある
- 土地の利用効率が低い
アパートやマンションであれば「住宅用地」になり、固定資産税の減税対象になりますが、駐車場は減税の対象にはなりません。
そのため、所得税負担が大きくなってしまいます。
そして、駐車場経営は平面駐車場のケースが大半ですよね。
アパート、マンションのように土地を縦に活用することができないので、利用効率が低い=得られる収入額は少なくなります。
また、月極駐車場は、台数によって収益の上限が決まっているため、空車が出ると収入面で大きなダメージを受けやすく、思っていたより収入が見込めないということもあります。
建物を解体して、駐車場経営を始める場合は、増額する税金についても確認しておくことが大切です。
不動産投資「月極駐車場」の経営方法
月極駐車場を経営するには
- 個人経営方式(自営)
- 管理委託方式
- 一括借上方式
と3つの方法があります。
個人経営方式(自営)とは?
個人経営方式(自営)とは、駐車場の募集、契約から、管理、賃料の回収、トラブル対処までのすべてを自分で行う方法です。
月極駐車場で、起こりやすいトラブルの一つに違法駐車があります。
これらの対処もしなくてはなりません。
業者に支払う手数料がかからない分、収益性は良いですが、時間や労力が必要になります。
管理委託方式とは?
管理委託方式とは、業者に手数料を払って業務をすべて委託する方法です。
すべて業者が行ってくれるため労力がかかりません。
一括借上方式とは?
一括借上方式とは、所有する駐車場を一括で借り上げてもらい、駐車場が満車・空車にかかわらず、契約した業者から毎月一定の賃料を得るという方法です。
安定した収入は見込めますが、その分手数料は高めに設定されています。
月極駐車場のはじめかた
月極駐車場経営を始めるために、特別な資格は必要ありません。
小規模な月極駐車場であれば届出や申請も不要なので、駐車場の整備が終わればいつでもはじめることができます。
- 駐車場用地に整備する
- 月額賃料を決める
- 月極駐車場の利用者を募集
- 利用者と契約する
不動産会社に業務を委託するのであれば、費用はかかるものの、駐車場の区割りから、利用者の募集、管理まで任せることができるので、何もする必要がありません。
駐車場用地に整備する
建物がある場合は、解体業者に依頼して解体します。
- 舗装(砂利、アスファルト、コンクリート)
- 駐車場の区画のライン引き
- 車止めの設置
- 境界にフェンスを設置
- 募集看板を設置
- 街灯を設置…防犯面で大切
また、面した道路と駐車場に段差がある場合は、切り下げ工事が必要です。
月極駐車場を始める際に、行政上の手続きは必要ないのですが、
- 解体工事
- 切り下げ工事
など「工事」に関しては申請が必要になるので注意してください。
解体工事の場合は、法務局で「滅失登記」をする必要があるので、解体業者に、建物取毀証明書を発行してもらいましょう。
切り下げ工事の場合は、地方自治体への申請が必要になります。
役所の窓口で、相談しましょう。
月額賃料を決める
周辺の相場を調べて、料金を設定することが大切です。
早く満車にしたいからと、相場より大幅に安くすれば収益が得られませんし、早く収益を上げたいからと相場より大幅に高く設定すれば契約してくれる人が表れないという事態になってしまいます。
料金が決まったら、募集看板を作成して設置しましょう。
月極駐車場の利用者を募集
月極駐車場の利用者を募集する方法は、主にこの3つです。
- 自分で募集をする
- 駐車場の検索サイトで募集する
- 不動産会社に募集を依頼する
自分で募集する場合、看板の設置をしたり、チラシを配ったりすると思いますが、この方法では、立地によってはなかなか利用者が集まりません。
最近は、月極駐車場をインターネットで探すという人が多いので、駐車場の検索サイトに登録して契約者を募集するのもおすすめです。
最も一般的なのは、不動産会社に募集を依頼する方法です。
その場合、駐車場の管理・運営もそのまま委託するケースが多く、売り上げの10%ほどを管理手数料として支払うのが一般的です。
利用者と契約する
自営の場合は、賃貸契約書を作成して契約をします。
契約の際に「車庫証明を発行したい」と言われるケースがあります。
その場合は「保管場所使用承諾証明書」という書類を発行しなければなりません。
不動産会社に管理業務を委託している場合は、すべて代行してくれます。
不動産の有効活用!オススメは月極駐車場経営。まとめ
月極駐車場経営の最大のメリットは、初期費用の安さと安定した収益性です。
月極駐車場にかかる初期費用は駐車場の整備費のみで済むからです。
不動産経営の経験がない場合は、地元の不動産会社に相談してみましょう。
個人で駐車場経営を行う場合は、
- 駐車場内の清掃
- 設備の修繕
- 入金確認
- 利用者同士のトラブル対応
のすべてを自身で行う必要があります。
管理が行き届いていない駐車場は、違法駐車、放置車両、車上荒らしなどのトラブルが起きやすいため、掃除や雑草抜きなどはこまめに行うことが大切です。
もしも、自営が難しそうであれば不動産会社への委託も検討してみてください。